アルキロコスの詩片とマネージド・ファイル・トランスファー戦略

アルキロコスの詩片とマネージド・ファイル・トランスファー戦略

「キツネは多くのことを知っているが、ハリネズミは大事なことをひとつだけ知っている。」 -- アルキロコス

この言葉を聞いたことはありますか?これは古代ギリシャのアルキロコスの詩の一節であり、ビジネスの世界で戦略についての考察、特に優れた戦略をどう構築すべきかについての考察に際して、繰り返し使用されてきました。この、キツネとハリネズミの比喩は、マネージド・ファイル・トランスファー (MFT)クラウド戦略を策定する際に、大いに参考になります。ビジネス戦略において、ハリネズミ型の対処法をとるか、キツネ型の対処法をとるかでアプローチの仕方が違ってきます。

ハリネズミの対処法

全身の針を立てて身を守るという一つの術で切り抜けるハリネズミ型の対処法は、次のような特色があります。

  • ディープフォーカス: 中核となる確固としたミッションがあり、余分な活動を回避して、すべてのリソースをそのミッションに集中させる
  • 目的主導型: 世界に対する見方を1つに絞り、その中での組織の役割、目的を決定する
  • 結果指向: 望む結果が達成できるまでひたすら努力する

つまり、ハリネズミ型は、特定の結果を生み出す包括的なビジョンを擁立し、そのビジョンがどのように達成されるかの詳細にはあまり深く考えない傾向があります。通常、特定のツールやソリューションに関して、どのような要件があり、どのような仕様や手順が必要なのかと言う細部にはあまり関与しません。

キツネの対処法

一方、知恵に長けたキツネは、ハリネズミがこだわらない細部にまで多角的に考察します。ハリネズミが確固としたビジョンを打ち立てるのに比べ、キツネはビジョンという観点には重きを置きません。成功への道筋を描き、前進を妨げる可能性がある要素がないかについて検討し、物事を成し遂げるために必要なあらゆることを考慮しようとします。一般的に、キツネ型の対処法をとる人には、次のような能力があります。

  • 集約: 新しい知識を受け入れ、複数の情報源を使用し、チームで作業する能力
  • メタ認知: 自身の偏見を考慮に入れた上で、どのように考えるべきかという洞察力
  • 謙虚さ: 不確実性を認め、誤りを認め、新しい証拠に基づいて考えを変え、それに適応する意欲

適切なクラウド・マネージド・ファイル・トランスファー戦略の立て方

クラウド・マネージド・ファイル・トランスファー戦略を策定する場合、この、ハリネズミとキツネの対処法を念頭に置きながら検討することをお勧めします。どちらの戦略的思考スタイルが優れているかを議論するよりも、両方の戦略的視点を活かして各戦略の長所をバランス良く取り入れるのが、最も効果的だと思われます。

次のアプローチを検討してください。まず、ハリネズミのように考えてください。ハリネズミ型の思考法で中核となるミッションを確定します。解決しようとしている問題は何で、どのような成果を達成するべきか、そしてそれは組織が目指すものやアイデンティティと一致しているか、などといった観点から導き出していきます。

それから、キツネのように考えてください。キツネ型思考に切り替え、確定したミッションを実現するために必要な方法、タイミング、実行、およびリソースの詳細まで念入りに熟考して戦略を詰めていきます。予算はどのように費やされるか、ROI ゴールはどうすべきか、目的を達成するためのプロセスを適切に処理するにはどれだけの人員を確保すべきか、等々、検討すべきことのリストは延々と続く可能性があります。

具体的に、コンプライアンスを確実に満たすためのマネージド・ファイル・トランスファーをクラウドに移行する必要があるかどうかという検討事項があった場合、ハリネズミ型思考、キツネ型思考ではどのようなポイントに着眼するのでしょうか?組織の機能を最大限に活用しながら組織の目的に適った最善の戦略を策定するには、両方の視点が有用であるとともに不可欠でもあります。

ハリネズミの着眼点

  • 安全なファイル転送は、組織運営上、不可欠な要素か?
  • ミッションを遂行できるようコンプライアンスを確保するにはどうすればいいか?
  • MFT またはクラウド MFT を実装して、関係者への負荷を最小限に抑えながら、ミッションに集中し続ける最善の方法は何か?

キツネの着眼点

  • 目標とするレベルのサービスを提供するには、どのような種類の MFT サービスと機能が必要か?
  • クラウド・マネージド・ファイル・トランスファー・ソリューションを自分たちで構築すべきか、それとも購入した方が良いか?
  • MFT サーバーをクラウドに移動すると、ROI プロファイルはどう変化するか?
  • MFT-as-a-Service を選択した場合はどうか?
  • クラウドに移行するとしたら、いつまでにマネージド・ファイル・トランスファー・ソリューションを運用可能にするべきか?
  • このサービスを維持するには、何人の FTE が必要か?
  • 選択したクラウド MFT に関して利害関係者からの承認を得るには、どのようなオンボーディングが必要か?

このような各種のポイントを検討していく過程で、セキュリティを最優先事項にしなければならないことが明確になってくるでしょう。機密ファイルを組織内および外部の顧客やパートナーと安全に共有することは、今やどんな組織にとっても必要なプロセスであり、毎回正しく実行する必要があります。サイバーセキュリティ侵害を受けてしまったら、コストは膨大で、信頼は損なわれ評判はたちまち下落します。セキュリティとコンプライアンス対応機能が充実したマネージド・ファイル・トランスファーは、これまでは見落とされがちだったかもしれませんが、今後は無視できなくなります。

ただ、マネージド・ファイル・トランスファーを自組織内で作成することは、必ずしも組織のコアミッションである必要はありません。インフラストラクチャの開発と運用を担当する IT 部門は、その重要な任務に集中できるよう、マネージド・ファイル・トランスファー・ソリューションの提供を他社に委ねることが可能です。

マネージド・ファイル・トランスファー戦略

ハリネズミ型の対処法、キツネ型の対処法の両方が重要で、両方の戦略的視点を駆使することが長期的にメリットの多い最適な戦略の策定につながります。

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