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DevOps のバックボーンとしての IT 自動化

DevOps のバックボーンとしての IT 自動化

DevOps!クラウドに続くITのトレンド、開発 (Development) と運用 (Operation) の連携を意味するこの言葉は、最近頻繁に目にするようになりました。ですが、アジャイルというのがキーワードらしいのはわかっても、DevOps の本質のようなものはつかみにくいと感じる人が多いようです。

DevOps は、その英文字が示唆する通り、開発とITオペレーションの統合と定義され、アプリケーションとサービスを継続的に更新して、迅速に提供することが目標になっています。

その目標を達成するため、DevOps チームは、開発と運用(そして顧客も含め)の間を行ったり来たりする回数を減らし、DevOps パイプラインによる迅速なフィードバックを確実にし、最終的にデプロイメントをスピードアップすることを目的とした、生産性が高く無駄のないリーン方式を採用する必要があります。そして、その方式を根幹で支えるものに自動化があります。

DevOps は自動化から

シンプルな理論です。組織を無駄のないアジャイルなものにしたい場合は、自動化を進めるのがいいでしょう。開発者やIT担当者がルーチン的なタスクを手作業で実行するのに長い時間をかけていれば、組織の柔軟性は低下します。

現代の企業では、自動化はぜいたくなものではなくて必要なものであり、特に DevOps を意識していなくても、自動化が進んでいるはずです。ネットワークで接続された世界が拡大し、企業ネットワークの境界がクラウドの境界とが絡んで混迷し、インターネットの存在感が膨れ上がってくると、管理を必要とする物理および仮想エンティティの数も急激に増大します。膨大化したリソースとタスクをすべて手作業で管理するのは、莫大なコストがかかり事実上不可能ですが、自動化ツールを使用することで、リソースとタスクの管理をなんとかこなすことができ、個人のパフォーマンスを引き上げられます。自動化できるルーチンタスクは面倒で退屈な部分が多く、そういったものから解放される作業者はほっと一息つくことができます。そして、より意味のある業務に集中して取り組むことができます。

 

継続的デリバリーには IT サポートが必要

DevOps に込められた意味合いは、企業や部門によっていろいろ細かい違いはあるでしょうが、中核には、継続的デリバリーがスムーズに行えるようサポートするという目的があります。

継続的デリバリーは、アプリケーションに更新があったとき即座にリリース準備完了状態にして関係者に通知することを基本とする、アプリケーションの開発とデリバリーに関するアプローチです。必然的に、アプリケーションは常にデプロイ可能であることが求められます。

これを実現するためには、開発と運用がアジャイルで効率的でなければなりません。つまり、自動化が不可欠です。

自動化が必要なのは開発側だけではなく、IT運用側の自動化も重要です。ITプロセスが遅くて効率が悪ければ、デリバリー・パイプライン全体に影響します。

開発部門は、デッドラインを守らなければならず、必要なリソースがいつでも利用できる状態であることは大前提です。DevOps 環境におけるITの主要な役割は、開発部門がネットワーク、アプリケーション、およびハードウェアのボトルネックに遭遇しないようにし、不必要なやり取りや中断をできる限りなくすことです。

自動化は一挙に進めないで段階的に

自動化は目新しいことではなく、IT部門ではタスク自動化はすでにいくつもの前例があるでしょう。単純なスクリプトだったり、マネージド・ファイル・トランスファーのような自動化ツールだったりと、規模には違いがあっても、大多数の環境ではある程度の自動化が行われていると推定されます。

もちろん、ちょっとしたスクリプトを書いたことがあるからといって、自動化が簡単に推進できるわけではありません。時間を節約し、エラーを削減し、多くのメンテナンスを必要としない便利なIT自動化を行うことは想像以上に困難なものです。

自動化イニシアチブを実行するとき、欲張って一気に片付けてしまおうなどとは思わないでください。いきなり全社的に自動化を適用しようとするのは危険過ぎます。最初は、適切な、影響の少ない箇所を探してみてください。小規模な自動化から始め、うまくいくのを確かめながら、少しずつ進展させるのが合理的です。

1つのワークフローでエンドツーエンドの自動化を実装したい場合は、プロセスの最も弱いリンクから系統的に削除していく手法をとることができます。


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