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ワークフロー自動化とは

ワークフロー自動化とは

たいていの勤め人は出勤日の朝、毎日同じように繰り返すルーチンを持っているものです。決まった時刻に起床して、歯を磨き、シャワーを浴び、そして出勤用の服を着ます。この予測可能なルーチンは、毎朝、時計仕掛けのように繰り返され、変動することはめったにありません。この朝のルーチンをワークフローだと考えてみてください。

ワークフローは、特定の順序で実行される、予測可能な定義済みの一連のタスクです。たとえば、シャワーを浴びる前に出勤用の服を着ることはしないでしょう。ワークフローの各ステップは、最終目標を達成するために行われる一連のアクションです。朝のルーチンの場合、目標はその日の準備をすることです。ビジネスにおいて、ワークフローの目標は、新入社員へのオリエンテーション、経費報告書の承認、メールキャンペーンの実施などが考えられます。

ワークフローは予測可能な定常ルーチンであり、論理的な順序で事前定義することができます。

ビジネス環境には多種多様なワークフローがあります。会社で行われていることを俯瞰的な視点から分析すると、ワークフローに変換できる予測可能なパターンがあらゆるところに見いだされるでしょう。

ワークフローは予測可能なパターンなので、自動化に適しています。ワークフロー自動化は、通常、ワークフロー内の各タスクを定義し、それらを相互にリンクし、タスクを順番に文書化または実行できるように設定できるグラフィカルインタフェースを提供するソフトウェアツールによって実装されます。

スクリプト

ワークフロー自動化にはスクリプトのコンポーネントも含まれます。Bash、PowerShell、Perl、Python などの広く普及しているスクリプト言語がありますが、画面上でオブジェクトをドラッグアンドドロップするグラフィカルツールがあるだけで、柔軟性が十分ではありません。様々な企業が抱える多様なニーズをすべてサポートすることはできません。

製品にスクリプトのコンポーネントが用意されているとします。ワークフローのあるステップからインプットを受け取って、コードを実行し、必要な情報を返すスクリプトをユーザー側で作成することはできますが、その先を処理する後続のステップも必要になります。

ワークフロー自動化の例

たとえば、人事部門には、ワークフロー自動化に適した典型的なワークフローとして、有給休暇申請があります。大企業の場合、休暇申請には、残っている有給休暇の確認、複数の上司からの承認、不在期間中にサポートできる同僚のスケジュール確認、などが必要になる場合があります。

大企業の社員が有休休暇を取得するときに必要な活動を一つずつ考えてみましょう。ぱっと見には簡単そうですが、プロセスを細かく見ていくと、いろいろなことが複雑に絡んでいます。

  • 社員が休暇申請書に記入する。フォームは所定の用紙ですか、Webフォームですか?
  • 申請書のフォームが承認のため上司に送信される。記入された用紙に判をもらいますか、電子メールですか、スラック通知ですか?
  • 上司は、不在期間に誰かが本人の業務のカバーをする必要があるか、その場合カバー要員は確保できるか、スケジュールを確認する。カバー要員が確保できない場合、申請を却下することになりますか、別の時期にずらせないかを打診しますか?その方法は、直接会って話しますか、電話ですか、メールですか、テキストメッセージですか?
  • 上司は、申請された日数の有給休暇取得が可能かどうか、申請者の有給取得状況を確認する。情報はどこに保存されていますか、最新情報ですか?

紙の申請フォームを使っている場合には電子化する必要がありますが、このような一連のタスクはワークフロー自動化でスムーズに効率化できます。通常、多くのシステムをリンクして、事前定義された規則に基づいて決定を下しアクションを実行します。社員の有休残り日数は、人事部のデータベースにあるとわかっていれば自動的に確認できるはずです。カバー要員のスケジュール調整も、いちいち上司が手作業でチェックしなくても、ソフトウェアで自動的に判定できます。データベースの更新がしっかりできていれば、このような論理的なタスクはワークフローの自動化に最適です。

 

サービスオプション

ワークフロー自動化のためのソフトウェアは、無料のものから極めて高額のものまで、実にたくさんの選択肢があります。組織に最適なソリューションは、使える予算とどこまでの自動化が必要かによって決まります。ワークフロー自動化ソフトウェアは、大きく2つのカテゴリに分けられます。 IFTTTZapier などの消費者向け製品は、比較的安価で無料のものもありますが、ビジネスアプリケーションに対するサポートは限られています。

複雑なif/then構文を扱うことができ、繰り返し発生するタスクに対応可能で、一般的な業務アプリケーションへのサポートが含まれるエンタープライズレベルの製品が必要な場合は、消費者向けの製品ではなくビジネスレベルのワークフロー自動化ソフトウェアから選択することになるでしょう。大企業向けの場合は、ビジネスプロセスの自動化という用語で検索した方がいいかもしれませんが、K2、WorkFusion などのサービスがあります。

可能なすべてを自動化

筆者は自動化はできる限り行うべきだという信念を持っています。そして、ワークフロー自動化をあまり活用していない企業がたくさんあることには驚かされます。すべてのタスクを手作業で何度も繰り返し実行できるからといって、それが正しい選択であるとは限りません。ワークフロー自動化を怠っていると、小さなミスや無駄が積み重なって致命的な問題に発展する可能性があると思います。

毎日の業務として、経費報告書を承認し、有給休暇申請を処理し、新入社員のアカウントを設定したりするワークフローは、慣れているので些細なことのように思えるかもしれません。ですが、些細なこと、つまらないこと、と惰性でこなしてしまう習慣を見直してください。既存のビジネスプロセスを継続的に分析し、予測可能なワークフローを見つけ出し、義務的で退屈なルーチン化したタスクを自動化することで人的ミスを防ぐとともに、効率化が実現できます。


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