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PowerShell: スクリプトを超えて広がる可能性

PowerShell: スクリプトを超えて広がる可能性

PowerShell と聞いて、頭に浮かぶのは何でしょうか?スクリプト?おそらくそうでしょう。もちろん、PowerShell の主要な機能はスクリプティングですが、もう一つ、優れた枠組みとしてのシェルという特性があります。

多くの開発者は、「スクリプト」をやや低レベルのものとみなします。スクリプトは、ソフトウェア・アプリケーションにとって面倒な弟のようなものです。スクリプトはちょっとした煩わしいタスクを自動化するために無雑作に放り込まれたものです。スクリプトにはこのような思い込みがつきまといがちですが、PowerShell は今日の DevOps 世界の人々にとっては、もう少し有用なものになってきています。

PowerShell は、スクリプト言語というだけにとどまらず、自動化言語という側面があります。AzureシェルAzure関数DevOpsリリースパイプラインの構築などで機能します。Microsoft は PowerShell に非常に多くのリソースを注ぎ込んでおり、Microsoft のほとんどの製品が PowerShell をサポートしているため、何にでも柔軟にフィットします。

Azure のように PowerShell を直接クラウドで使用する以外に、先駆的な企業では現在、PowerShell を生産プロセスの重要なツールとして使用しています。PowerShell を自動化言語として使用する際に重要になるのは、モジュールの概念です。モジュールは、PowerShell を自動化に使うときの構築ブロックです。モジュールを使って、特定の製品、技術、目的のための機能の「パッケージ」を作成することができます。つまり、機能をコンパートメント化して簡単に共有できます。

 

PowerShell の初心者は、モジュール構築のコースをとって、簡単なモジュールを作成してみるとメリットがわかるかもしれません。しかし、このモジュールの概念がどのように拡張可能であるかという点にまではなかなか思い至りません。

たとえば、筆者は現在オートメーション・エンジニアとして雇用されており、テスト環境プロビジョニングの自動化や開発者からのアプリケーション導入の自動化などの任務があります。テスト環境は、ロードバランサー、Webサーバー、データベース・サーバー、ファイル・サーバーなどからなる実稼働環境のレプリカに極めて近いものです。それぞれのオブジェクトは、特定の状況下で適用される特定の設定を必要とし、これらすべてを自動化するのは膨大な作業になります。PowerShell だけでそのすべてを処理することは無理だと思いますか?そうではありません。

新しいインフラストラクチャを稼働させ、10のWebサーバー、2つのクラスタ化SQLサーバー、おそらくいくつかのWebサイトのためのWebサーバー、アプリケーション・プール、その他の雑多なものを設定することは、約100種類のカスタム・モジュールを使用して PowerShell だけで実行できます。これらの多くのモジュールを一括して使用すると、PowerShell が次のレベルへと引き上げられます。PowerShell をいくつかの「レベル」に分類するなら、シェル -> スクリプト -> モジュールのようにレベル分けできるでしょう。より高度な抽象化を位置づける「バケット」のレベルは存在しません。モジュールは技術的に最も高いレベルになります。しかし、「バケット」がまだ存在しないという理由だけでは、不可能と言い切ることはできません。

PowerShell モジュールを1つの別のユニットとして使用することで、ユーザーは何千もの異なるオプションを実行し、組織のシステムで実施されているどうのようなことでも自動化することが可能です。

PowerShell を勉強し始めたばかりの人は、一朝一夕でこのレベルの自動化ができるわけではありません。問題を分析し、プロセスをどのように構造化すべきか考えて決定し、最後にすべてのコードをモジュール内に書き込むという一連の作業に習熟するには、多くの時間と労力を要します。

Microsoft の後押しによって、PowerShell は Azure と Windows 環境の標準となっており、先行の VBscript やバッチファイルのカバーしていた範囲をはるかに上回っています。

 

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