マネージド・ファイル・トランスファーに関する4つの展望 - 2021年

マネージド・ファイル・トランスファーに関する4つの展望 - 2021年

ファイル共有に関連した2021年のトピックとして、クラウドとモバイルへの移行、多様な統合、BisOps などが挙げられると思います。セキュリティ確保の重要性は、いずれにも共通しています。

激乱の2020年が終わり、2021年もすでに1か月が経過しましたが、ここで少しこの1年を展望してみたいと思います。2020年初頭に新型コロナウィルスのパンデミックを予想できなかったように、2021年の展望も確実性を保証するものではありません。水晶玉占い程度にとらえていただければと思いますが、マネージド・ファイル・トランスファー・テクノロジーの観点から、4つのポイントについて考察しましたので、ご一読いただければ幸いです。

継続的なクラウドへの移行

Forbes は、多くの企業がクラウドベースのセキュリティソリューションに投資していると報告しています。クラウド・ソリューションは、オンプレミスのハードウェアもソフトウェアも凌駕していくでしょう。統計調査からの予測では、クラウドベースのソリューションへの投資は、2024年までに10%増加すると見込まれています。

クラウドという言葉を聞いて思い浮かべるのは、ファイル、写真、データが存在するあいまいな場所といったところでしょうか。気象関係情報などは、クラウドベースのテクノロジーを駆使して、指先でポイントして最新データが反映された画像を表示するといった形でわかりやすく周知されますが、こういった技術はますます重要になってくるでしょう。また、新型コロナウイルスのパンデミックで、多くの組織がクラウドテクノロジー採用の必要性を痛感しました。なかなか収束しないコロナ禍は在宅勤務の形態を定着させ、勤務形態が大きくシフトする可能性があります。オフィス勤務を前提として導入・使用されていたオンプレミスソリューションを、クラウドベースのソリューションに置き換えざるを得ないような状況が発生することが考えられます。

クラウドベースのマネージドファイル転送(Managed File Transfer、MFT)ソリューションは、Dropbox や Google Cloud などの無料ソリューションの柔軟性と、機密データのセキュリティ保護による信頼性を兼ね備えています。

BizOps を使用したビジネスプロセスの統合

最近は、多くの組織で、業務遂行のために何百ものアプリケーションを利用するようになっています。筆者の例を挙げるなら、今日の午前8時前に、MOVEit Transfer にログインして大きな Excel ファイルをベンダーに送信し、OneDrive でこのブログを同僚と共有し、休日の管理のために Workday にアクセスし、Sitefinity でランディングページを編集し、リードのフローを確認するために Salesforce にログインしました。ほかにもまだ様々な業務を、アプリケーションを使って行っています。このような業務遂行をより簡単にするための類似したアプリケーションを提供するサービスとしてのソフトウェア(Software as a Service、SaaS)ベンダーも増えています。ですが、新しいツールを採用すれば生産性は向上するでしょうか?(あるいは解決のために採用したツールを使えば問題はすぐ解決するでしょうか?)多分、答えには、「はい、ただ、、、」というように「ただ、、、」以下が続くのではないでしょうか。例えば、「ただ、システム同士がお互いにやり取りしてうまく調節してくれたら、もっとずっと効率的でスムーズにいくはずなのに。」などといった悩みが続くかもしれません。そのような悩みへの解決策を提供するのが BisOps です。

BizOps は、企業の目標達成のために、社員が過重労働をしなくてもスマートに業務をこなせるよう、テクノロジーに投資してビジネスプロセスを作成・統合し、効率化を図るものです。目標は中核ビジネス全体の近代化と生産性向上であり、共通の目標を達成するために協力し合う必要があります。BizOps を介した SaaS とビジネスアプリケーションへの投資が、組織の成長にとって非常に重要になってくるでしょう。 

MFT 統合

最近、多くの組織に影響が及んだ SolarWinds のハッキング事件が大きなニュースになりましたが、セキュリティ保護に対する関心はますます高くなっています。このハッキングは、実装された監視ソフトウェアに対して発生したため、ネットワーク上のすべてのデバイスへのアクセスを許すことになり、大きな危険を伴うものでした。ただし、データを保存しているデバイスにアクセスできることと、そのデータを読み取ることができることの間には、違いがあります。たとえアクセスできたとしても、そのデータが暗号化されていて何を意味しているのか解読できなければ、悪用することはできません。保存中データの暗号化は、このようなときには威力を発揮します。

マネージド・ファイル・トランスファー(Managed File Transfer、MFT)ソリューションは、ファイル転送・共有を総合的に管理するもので、保存中データの暗号化機能も含まれます。MFT ソリューションである MOVEit は、デフォルトで保存中データの暗号化を行います。安全なマネージド・ファイル・トランスファー・ソリューションを導入すれば、ネットワーク侵害の被害を受けたとしても、システム上の実際のデータが暗号化されていてハッカーにとって利用価値がないことになります。組織のシステムを MFT ソリューションと統合することには多くの利点がありますが、SolarWinds のハッキング事件で潜在的な第二層のセキュリティとしての側面が注目されました。2021年に、MFT の採用と統合が促進される可能性があります。

 

モバイル MFT

多くの人が在宅勤務にシフトし、「移動」しなくなりましたが、モバイルデバイスの使用はますます増加しています。オフィスにいるときと同じ安全なファイル転送機能にアクセスできる状況にあるリモートワーカーやモバイルワーカーはあまりいないという調査結果があり、組織は、オフィスにいるときと同様の安全なファイル転送機能をモバイルアプリで提供する方法を検討し始める必要があります。コストもかかるので、実際にデータ侵害が起こってしまった場合は別にして、最初はあまり積極的な動きはないかもしれません。ですが、膨大な数のモバイルデバイスがワークフローにアクセスするようになると、アクティビティを監視および保護するために、これらの潜在的に安全でないエンドポイントを MFT ソリューションの管理下に置くためのコスト対効果比の高い方法を探す組織が増えてくるでしょう。

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